パレオとは、英語で「原始時代の」という意味で、パレオダイエットを直訳すると「原始食療法」という意味になります。
原始人が食べていたものと同じようなものを食することで、様々な疾病を予防して健康増進を図ったり、慢性病や癌などの免疫疾患等の治療を図ったりする食事療法を意味するのです。
パレオダイエットを始めると、食事内容や生活習慣にも気をつけるようになりますから、太めの方なら当然ながら減量につながるでしょうし、反対に痩せ型の方なら自然と標準体重に近づいてゆくことでしょう。
パレオダイエットのすばらしいところは、面倒なカロリー計算も一切必要なく、食べたいだけ食べていても、自然と健康的な身体になってゆくということです。
パレオダイエットは食生活を根本から見直すことによって健康な身体を作る試みであり、「何とかダイエット」と言って宣伝され、一過性の効果しかないようなあまたあるダイエットプログラムとは根本的に違うのです。
*なぜ原始食なのか?
数十万年といわれる人類の歴史の中で、耕作と定住が始まったのはほんの数千年前に過ぎません。
つまり、これまでの人類の歴史の中で、約99%の時間を我々は狩猟採集民として暮らしてきたのです。
たったの数千年前に農作と定住が始まり、急に多くの穀物を食するようになりました。
しかし、穀物はもともと種ですから、外敵から身を守るため、レクチンという一種の毒素を備えています。
また、小麦類に多く含まれるグルテンは、難消化性であり、消化器に多大な負荷をかけ、多くの生活習慣病につながることがわかっています。
つまり、人間の消化器官は約数千年前に起こった急激な食物変化にまだ対応できていないのです。
その結果、様々な生活習慣病が生まれてきました。
それでも、今から数十年前まで、人類はまだまだましな食生活をしていたのです。
それが一気に崩れたのが、ここ数十年来に起こった、食料の大量生産と食の工業化でした。
例えば・・・。
・ 食用油の大量生産のため、溶剤を用いた化学処理がなされています。スーパーで一般に販売されているサラダ油、菜種油等は、いわば化学物質であり、有害なものです。パレオダイエットではこれらを一切排除します。
・ マーガリンや市販のショートニングなどの人工固形油には身体に有害なトランス脂肪酸が多く含まれています。パレオダイエットでは当然ながらこれらも一切使いません。
・ 食肉や養殖魚の大量生産のため、多くの化学物質が使われています。家畜や魚などを狭いスペースに閉じ込めると病気が増えるので、大量の抗生物質(毒物)を餌に混ぜて投与し、これをカバーします。抗生物質は当然ながら肉に残留し、我々もこれを知らずに大量に摂取し、不健康な身体になってゆきます。
・ 牛乳は牛のおっぱいです。もとは子牛を育てるためのものであり、子牛を生まなければ出ないのです。ですので、人工授精で無理やり妊娠させ、子牛が生まれたらすぐに引き離します。そして、人間好みの脂肪分が高い乳にするため、草食性の牛に無理やり穀物や動物性飼料などを与えます。その結果が狂牛病などの新しい疾病を生み出したことは、記憶に新しいところです。
・ 多くの加工食品には、見た目を綺麗にし、販売期間が延長できるよう、保存料、鮮度保持剤、発色剤など、多くの化学物質が含まれています。これらも毒物なので、パレオダイエットでは一切排除します。
このように、動物の命を工業製品化するという、いわば自然の摂理に反した事が広く行われているわけです。
その代償が、人類に蔓延する生活習慣病という形で現れています。
逆に言えば、このような、摂理に反した不自然な食物を取り除いてゆくことによって、人類は健康を取り戻すことが出来るのです。
それこそが、パレオダイエットの極意であるといえるでしょう。
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